お知らせ

御蔵島 野生化ネコ捕獲プロジェクト【Vol.2
ネコと森に向き合う1日に密着。

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ネコ捕獲風景

野生化ネコの捕獲は主に1月〜3月の冬場にかけて行われます。2025年1月11日〜14日にかけて集中的に行われた野生化ネコの捕獲〜保護活動に密着しました。

◎プロジェクトの概要については【Vol.1】へ→(Vol.1記事へURLリンク

〜朝の作戦会議〜

AM8:00

民宿の食堂をミーティングルームとして、1日のスケジュールと役割分担を確認します。事前にある程度シミュレーションした罠の分布図をもとに、どのエリアを誰が担当するのか、餌は何を使うのかなどを確認します。

重点的に行いたいのは、オスよりもメスの捕獲です。オスの捕獲はその個体1頭分を取り除く効果となりますが、メスの捕獲はそのメスが生涯産むはずの子まで捕獲したことになるからです。昨年までのデータを分析し、メスが多く生息しているであろう赤沢エリアを今回の最重要エリアとしました。

朝のミーティング
▲森の中に設置した自動撮影カメラに写っているネコを模様で個体識別したり、メスである証拠(子ネコを連れている・妊娠してる等)を記録することで,メスが多いエリアを判別しています。
赤沢エリア
▲この日は最重要エリアである赤沢エリアへ。御蔵島の森の中でも険しいと言われているエリアです。たくさんの罠を設置するため、ほぼすべてのメンバーを動員して向かうことに。

〜野生化ネコの捕獲活動スタート〜

AM9:00〜

野生化ネコを捕獲するための罠を組み立て、設置へと向かいます。

ゲージの組み立て
捕獲スタート
入山
▲一人につき3つの罠を背中に、両手には2つの罠を持ち、森の中へと入っていきます。
入山
▲森の中はかなりの急勾配。時には小川を越え、時にはGPSを頼りに木の枝をかき分けながら道なき道を進む。
罠の設置作業
▲事前にシミュレーションしたポイントに罠を設置していきます。
カメラの設置
▲ネコの動きを感知して自動で録画をするカメラ。映った個体からデータ分析します。
ゲージ
▲罠設置をしながら、昨日設置した罠の中身もチェックしていきます。
入山
▲約3時間半もの間、ほぼ休むことなく歩き続ける。

〜数匹のネコを順調に捕獲〜

昨日設置した罠をチェックすると、いくつかの罠にネコが入っていることが確認できました。捕獲したネコはプロジェクトメンバーや協力を申し出てくれた島民によって島外へ搬出するまで一時飼養されます。

ネコの捕獲1
ネコの捕獲1

〜餌も毛布もある、安全・安心な場所へ〜

捕獲されたネコは、村役場が用意した部屋やネコの預かりに協力してくれる島民宅で保護されます。実は、森の中はネコにとって危険と隣り合わせ。ケンカによって怪我するネコもいれば、冬場は食糧も乏しいためネコの死亡率はかなり高くなります。春にカメラに写る個体の多くが一歳以上の大人のネコ。つまり、冬を越せない子ネコが多くいるのです。ネコの捕獲は、オオミズナギドリの命に加えてネコの命を守ることでもあり、安心・安全な暮らしを約束するものでもあるのです。

ネコを保護
▲捕獲されたネコは、餌も毛布もある場所へ。メンバーや島民によって一時的に飼養されます。
トラ柄のネコ
▲捕獲直後で緊張感は残りながらも、くつろぎはじめるネコ。
クロネコ
▲ヒゲが一本だけ白いクロネコ。それぞれのネコに個性があります。