職人に聞く、御蔵島産黄楊(ツゲ)の魅力
木製リコーダー製作の現場を訪れました

御蔵島の特産品、黄楊(ツゲ)。その木材が海を越え、楽器へと姿を変える場所があります。今回、島育ちの木がリコーダーへと生まれ変わることを知り、楽器の街・静岡県浜松市を訪ねました。 お話を伺ったのは、40年近く木製リコーダーを作り続ける職人・徳永隆二さん。
御蔵の森で歳月をかけて育った一本の木が、熟練の技を通して、いかにして美しい音色を奏でる「楽器」になるのか。その製作現場と、職人が語る御蔵島の黄楊の魅力についてレポートします。




リコーダーの形になるまでは図面が決まっているため皆さんが想像するほどの時間はかからないそうですが、音色の調整が職人の腕の見せ所です。まったく調整をせずとも完成してしまうこともあるみたいで、職人さんの技に驚きました。
今回取材協力として宮地楽器リコーダーの監修者である中川つよしさん(宮地楽器リコーダー科講師)にもコメントを頂きました。
Q御蔵島黄楊で製作したリコーダーの音の特徴などを教えてください
とにかく「甘く柔らかい」音がします。とはいえ同じ「ソフト系」の楓やペアウッド(洋梨)などと異なり、もっと芯のある、音の輪郭のはっきりした音です。
ヨーロッパ柘植はもう少し重いので、格調のある音になりますが、優しく甘い音色を持つ御蔵島柘植は、リコーダーの材質の最良のものだと思います。
Qどのような演奏家や音楽のジャンルにおすすめしますか
オールラウンドかと思いますが、やはり古典的なバロック音楽を演奏するのに向いていると思います。(ジャズ演奏などには、もっと硬くて大きい音がするグラナディラなどが良いのでしょう。)
御蔵島柘植は、アマチュアからプロフェッショナルまで幅広く使える、素晴らしいリコーダー材だと思います。
取材を終えて
工房で反りの出ているヨーロッパ産黄楊のリコーダーを見せていただきました。長く親しまれてきた素材には歴史があり、多くの演奏家がその音に慣れているので人気も高いそうです。一方で、御蔵島の黄楊は細かな節がなく安定性も高いため、加工のしやすさもあると伺い、御蔵島の木が持つ可能性をあらためて誇らしく感じました。徳永様の製作するリコーダーは宮地楽器様で販売され、御蔵の黄楊を用いた楽器を選ぶ人も増えているそうです。
御蔵島には吹奏楽部があり、島外の演奏家を招いた演奏会が開かれます。もし今後、宮地楽器様との連携や楽器を通じた交流が生まれたら、御蔵島の子どもたちが「自分たちの島の木から生まれた音」に触れる機会ができるかもしれない。木が育ち、楽器になり、音となって島に戻ってくる。そんな循環が生まれたら素敵だと思います。取材を通して、木製リコーダーを専門に作り続ける職人が多くないという現状を知りました。こうした手仕事の価値を、これからどのように受け継いでいくのか。御蔵島の黄楊という素材もまた、その物語の一部になっている。大切な技術や文化を未来へつないでいくことの意味を、あらためて考えさせられる時間となりました。
最後になりますが、取材にご協力いただいた徳永様、中川先生、宮地楽器様に心より感謝申し上げます。
御蔵島黄楊のリコーダーのお問い合わせは宮地楽器様まで
宮地楽器 ホームページ
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宮地楽器 御蔵島黄楊リコーダー









































































